私、社長の濱田の家づくりのこだわりを紹介します。
その前に少しだけ当社の紹介をさせて頂きますね。
私たちは地元金沢に親子三代続く創業大正14年の地域密着型の工務店です。
祖父から父、父から私へと受け継がれた三代目になります。
幼いころからずっと家づくりを見ながら木とともに過ごし、『わしゃ~鉋屑(かんなくず)の中で育ったんや』と自分でもいうくらい、木のおかげで今の自分があるようなもんだと思っています。
昔は『大工の棟梁』は現場での大工仕事、お客様との間取りプランの打ち合わせ、建材設備の提案や各業者さんの手配、集金業務まで全て一人でやっていました。お引っ越し後でもお客さまから連絡があればすぐに駆けつけ、素早い対応をしていました。
『大工の棟梁』は『家の主治医』のような存在であり、技量と統率力を持ち一目置かれる誇り高き存在で、私から見た父もそういった存在でした。
その父から『大工の仕事以外の事も知っておくのが一流の大工の棟梁』と教えられ大工修行以外の色々な修行も行いました。
そのおかげで寺院の山門などの仕事をさせていただく機会もあり、金沢の妙正寺の山門の設計施工に携わり、『第26回金沢都市美文化賞』を頂きました。その後『第一号の大匠棟梁』の称号も頂く事が出来ました。
だからこそ石川県金沢市の工務店として、代々引き継がれた匠の技をそのままに、先代からの知恵と工夫をこらした丁寧な仕事をさせていただいてます。
工事に携わる棟梁たちも弊社で修行をし、気心がよくわかる職人達で作り上げております。
ですから一棟一棟が均一のとれた真心がこもった完璧な仕上がりになっています。
白山比咩神社の1300年記念事業で、白山室堂での祈祷殿建て替え工事を白山さん御用達のゼネコンが私共の小さな会社に白羽の矢を立てて下さり、神社様や業者の方々と打ち合わせをさせて頂いて全て任せると言う事でお引き受けすることに成りました。図面を制作してご確認頂いてからひな型を形成し、皆様方に見ていただき検査の合格を頂きました。材木は岐阜県の東野の桧材で施工させて頂く事となり早々に材木を手配しました。お陰様で良い材に恵まれての施工となりました。材木の選定は2013年に運よく岐阜県東野の乾燥材が見つかり、柱や造作材を購入することが出来ましたので早々に納入しました。構造材は特殊な寸法の為に製材する事と成りました。こうして試行錯誤して2013年の年末に全ての材が揃い工事の始まりを待つだけとなりました。
搬入に使用したヘリ
2015年
15-1 建て方材も全て搬入されて土台敷きから建て方を始めました。山の上ですので重機などは一切使う事が出来ず、更に空気が薄いため体が直ぐに悲鳴を上げますので、職人さん達の動きを見ての作業です。全て手作業です。大梁はチェンブロックで上げて納めました。下界では2日位で屋根まで造り上げる作業ですが高所で重機の無い作業では仕方が無い事です。
15-2 一本一本手で上げての作業ですので職人さん達が祈祷殿を立派に造り上げるという想いを一つにして力を合わせて頑張っています。
15-3 職人さん達が力を合わせ少しずつ部材が納まっていきます。此の日は祈祷殿の腰までと社務所に屋根までが何とか組み終わりました。
15-4 小雨の中での作業でしたが無事にこの日の工程を終える事が出来ました。まだまだ屋根材が沢山見えますね。この材が全て無くなる頃には屋根もでき、多少の雨にも耐える事が出来ます。
15-5 この日はお天気に恵まれて祈祷殿の屋根に取り掛かります。足場も組み上がり皆の力を集結して造り上げます。此処で初めて現場責任者である大崎所長です。本当に職人の手元足元まで気配りや心配りを良くして頂きました。
15-6 之からの仕事は本来の神社様の化粧屋根や軒付けの取り付けが始まります。良くも悪くもこの時点からの作業が要となります。全員で気合を入れて仕事に取り掛かります。記念の為に集合写真を撮りました。此の職人さん達で祈祷殿を造り上げます。皆様の大満足を頂けるような仕事を熟す為に勢ぞろいし、大工人生の集大成の仕事となる様、真心と気遣いを忘れずに素晴らしい建物に仕上げます。
15-7、15-8(2)、15-8(4) 上棟祭に向けて着々と軒付けと屋根が出来上がっていきます。改修工事が控えている参籠殿の屋根が見えて居ります。社務所の屋根を取り付けていきます。お天気に恵まれての作業でした。
15-8,15-9 全ての屋根が仕上がり雨が入らない様にシートで覆い、上棟祭の為のスロープや足場が出来上がり愈々上棟祭の飾り物段取りされて居ります。
15-10、15-11、15-11(2) 屋根で上棟祭の儀式が行われてスロープを下る神職さん達。祈祷殿の中では祈祷をし、舞姫が鈴の舞を奉納します。挨拶をされる権宮司さんの安達さんです。厳かに上棟祭が執り行われ、餅撒きの後に参加された全ての関係者で記念写真を撮りました。
15-12 アルミ建具が取り付けらて外部の外壁が貼られ風雨に晒されても安心できる様に成りました。此の外壁材は県産材の能登ヒバの24mmの厚い無地の板貼りであり、神社様の気遣いで県産材を使用しました。
15-12(1)、15-13,15-14 祈祷殿や社務所の床板が貼られて造作材が搬入されました。之から内部の造作に入ります。大工の腕の見せ所です。全て桧材で普段は見ることの出来ない高価な材料です。全て所定の場所に割り振られている材ですので失敗は出来ません。大工さん達も緊張しての取り付け作業です。少しずつですが着々と完成に向けて進んでいきます。
15-16,15-17,15-18,15-19 2015年度の工事も大詰めを迎え外壁回りも完成し足場が外されスッキリとした外部が見て取れます。之で安心して下山出来ます。
15-20 全ての戸締りが済み下山前の点検をしました。最後に鳥居を額縁に祈祷殿を一枚写しました。
15-21,15-22,15-23,15-24、15-25、15-26 白山の閉山の日に忘れ物を取りに再度お山に登山をして室堂に舞い戻りました。此の日は白山の初冠雪の日でした。山々は12曲がり辺りから白く成り弥陀ケ原は純白の景色でした。久々にエビの尾を見ました。御用坂を上り室堂に着き、綺麗に雪化粧をした鳥居や向拝の軒裏を見て心洗われる気持ちでした。之も神様がご褒美に見せて頂いたものと心静かに感謝のお祈りをしました。
2016年
16-1 愈々工程通りに工事が進み完成が目の前に見えてきました。気が遠くなる様な気持ちがして居りましたが完成間近となると何故か気が軽く成りました。ですが、最後の仕上げを気を抜く事が無く最後の最後まで気を張り詰めて施工します。
16-2、16-3 造作工事も佳境を迎えて仕上げ工事が進んでいます。あと少しで木工事が仕上がります。慎重に心を込めて工事を進めて完成させます。
16-4、16-5 参籠殿の改修工事も順調に進み内部の造作やアルミ建具の取り替えや畳の入れ替えも全て終わり、残すは外部の壁面の板貼りだけと成りました。
16-⑤、16-⑥、16-⑥2 完成した祈祷殿内部天井は格天井で秋田杉の根杢の洗い出しの天井板です。勿論、祈祷殿内部は全ての材料は桧材です。下地材迄拘り抜いた材木です。
2017年
17-1、17-2、17-3 2017年の白山開山1300年祭の飾り付けが終わった祈祷殿です。まるで私達が造り上げた祈祷殿とまた一味違っう感じがしました。完成した祈祷殿で初祈祷が行われて1300年祭の祭礼が執り行われました。
17-4 多くの方が参加しての白山開山1300年祭が厳粛に執り行われました。この祈念行事は1300年前に泰澄が白山に上り開山したと伝えられておりそれを記念して白山室堂の祈祷殿の建て替え工事と成り、私共が携わるご縁を頂き施工させて頂いた物です。
17-6,17-7、17-8 完成した祈祷殿・社務所・参籠殿の全体像です。こうして眺めると苦労した事が思い出されます。神々が住まう聖域にこの様な建物の施工が出来た事に大工冥利に尽きます。大変な思いも数々在りましたが皆様のご満足いただいた様子を伺い喜んで居ります。
縁あって設計施工させていただいた山門の修繕工事。
そもそも山門には、どういった意味があるのかご存知でしょうか。寺院は元来、山に建てられており山号を付けて呼ぶのが慣わしとなっているため、平地にあっても山門と呼びます。
中には寺院全体をさして言う所もあり、山門をくぐると仏へ至る道が続いているという寺院にとってはとても大切なものなのです。
説明の中に出てきた山号というのは、寺院によって付けていない所もあり、付けている場合についても、その寺院が所在する山の名称を付けている場合と、所在地とは関係のない、仏教用語を山号として付けている場合があります。
山門のどっしりと構えたその姿は、参拝者に仏へと至る道へ導くように、そしてこの道を見守るかのように感じました。この山門がこれから何年、何十年の時を重ね参拝者を見届け続け、長い歳月の中で建築物として、山門としての雰囲気がもっと密なものになり深いものになっていくでしょう。そうなることを、私たちは願っております。
このような尊い山門の修繕工事に携われた事を、本当に心より感謝させていただきます(合掌)。
賞歴
平成24年11月27日に建設功労賞と言う素晴らしい賞を頂きました。
この賞は石川県建設業共同組合の推薦を頂き授賞させて頂いた物です。
多年にわたり数々の建築物や文化財の補修工事・古民家再生工事・東山伝統的寺院群保存工事などの施工をさせて頂きました。
この様な工事の施工の全ては、お客様のお力添えで施工させて頂いた物です。
また、この様な立派な賞はお客様のお力添えが無ければ、とても頂けなかったものと思います。皆様のご厚意に心からの感謝を申し上げます。
これを期に益々精進し、皆様方のご期待に添える様、之まで以上に努力を重ね頑張って行きたいと思っております。
今後とも皆様方に、より一層のご愛顧とお付合いを賜ります様、宜しくお願い致します。
古くからの街並みと新しい建物が美しく調和した街、金沢。
その中でも特に良いと思われるものを公募し、表彰するのが金沢都市美文化賞です。快適で魅力ある都市空間を形作りながらも周囲の環境や美観に配慮した建物、街のディスプレイやサイン、街路、小公園など毎年さまざまなものが選定されています。
受賞したのは、金沢市東山2丁目にあります妙正寺の山門の復元です。
卯辰山山麓寺院群にある日蓮宗のお寺です。開山は日蓮の最後の直弟子、日像上人が上石川郡大野村においでになった時、民家で法談をして、妙正寺の寺号と曼茶羅を残したのが寺の起こりといわれています。兵火により、一切を消失しましたが、羽昨市妙成寺一五世の正覚院日條上人が寺を再興しました。寺宝は金沢で 一番古いといわれる立姿のお釈迦様像です。
工務店のコンサルタントをしている、株式会社ナックさんから全国で数百社の中で、ベストハウス オブ ザ イヤー2012(木の匠の部門)で金賞を授賞しました。